2005年6月2日(木)08:54

オランダのEU憲法否決に遺憾と懸念の声

ベルリン/パリ(AP)

EU各国首脳はオランダの明確なEU憲法否決を失望と懸念をもって受けとめた。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、私は今回の国民投票の結果を尊重するが、大変残念なことと受けとめる、と語った。フランスのジャック・シラク大統領はEU憲法の将来に懸念を表明した。イギリスのジャック・ストロー外相は、水曜日の国民投票の結果はEUの将来に深い疑問を投げかけるものだと述べた。

シュレーダー首相はベルリンで、「民主的で社会的で強い欧州を望むなら、私たちには憲法が必要だとの私の確信は変わらない」と語った。ヨシュカ・フィッシャー外相は、この決定はEUに大きな課題を突きつけたと述べた。

シラク大統領は水曜日の晩パリで、フランスとオランダの投票結果を十分に分析するために必要な時間を置かねばならないと語った。フランスはすでに日曜日の国民投票でEU憲法を否決している。EU憲法の発効には加盟全25ヶ国の批准が必要とされている。

ストロー外相は、グローバル化が進展し、次々に発生する問題の解決を模索する時代においては、EUは欧州市民が新しい世界に対応できるように、繁栄と安定と社会的公正を保証できなくてはならない、と述べた。

スペイン政府はこの危機を乗り越えるべく一層の努力を傾けるよう呼び掛けた。スペイン外務省の広報官はEfe通信社とヨーロッパプレス通信Europa Press に対して、スペイン政府はオランダ国民の意思を尊重するが、一方ですでにスペインを含む9ヶ国がEU憲法を批准したことを忘れないよう求める。しかしオランダの国民投票の結果は他のEU加盟国の批准を困難にする恐れがある、と語った。

スウェーデン政府もオランダ国民の否決を残念に思うと述べた。その一方で政府は今後とも議会での憲法批准に向けて努力するとの意向を表明した。ハンガリーのフェレンツ・ソモジー外相 Ferenc Somogyiはオランダとフランスの国民投票の結果を「難しい政治的課題」と評した。ハンガリーはEU予算の協議を継続し、合意されたEU拡大のタイムスケジュールを守るよう主張するつもりだ、と外相は述べた。

EU諸機関の代表も批准プロセスの継続を主張した。「すべてのEU市民が自らの意見を表明する機会を持たねばならない」と欧州議会のジョゼップ・ボレル議長は水曜日の晩ブリュッセルで語った。ジャンクロード・ユンカーEU議長とジョゼ・マニュエル・バローゾEU委員長も同じ見解を表明した。「批准プロセスは継続されねばならない」とユンカーEU議長は強調した。

原題:Bedauern und Besorgnis nach Nein der Niederlaender zur EU-Verfassung




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